どうでも、いいのだ。

私は負けたのだ。

だらしが無い。笑ってくれ。

奴は私に、ちょっとおくれて来い、と耳打ちした。
おくれたら、ロリを犯して、私を助けてくれると約束した。
私は奴の卑劣を憎んだ。

けれども、今になってみると、私は奴の言うままになっている。
私は、おくれて行くだろう。
奴は、ひとり合点して私を笑い、そうして事も無く私を放免するだろう。

そうなったら、私は、死ぬよりつらい。

私は、永遠に裏切者だ。

地上で最も、不名誉のロボットだ。

あの子供よ、私は死ぬぞ。
自分一人で、死なせてくれ。

君だけは私を信じてくれるにちがい無い。

いや、それも私の、ひとりよがりか? 
ああ、もういっそ、悪徳者として生き伸びてやろうか。
地元には私の家が在る。ゲームも在る。知人たちは、まさか私を地元から追い出すような事はしないだろう。

ロリコンだの、ショタコンだの、ペドフィリアだの、考えてみれば、くだらない。
好きな者を犯し倒して自分が快楽に浸る。それが人間世界の定法ではなかったか。

ああ、何もかも、ばかばかしい。
私は、醜い人間の屑だ。
どうとも、勝手にするがよい。
やんぬるかな 。

――四肢を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。


 ふと耳に、せんせん、液体の流れる音が聞えた。

そっと全身をもたげ、息を呑んで耳をすました。
すぐ足もとで、オイルが流れているらしい。

よろよろ起き上って、見ると、岩の裂目からこんこんと、何か小さく囁きながら高質なオイルが湧き出ているのである。

その泉に吸い込まれるようにKITi&zは身をかがめた。
オイルを両手で掬って、一くち飲んだ。

ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。歩ける。行こう。肉体の疲労恢復と共に、わずかながら希望が生れた。義務遂行の希望である。わが身を殺して、名誉を守る希望である。斜陽は赤い光を、樹々の葉に投じ、葉も枝も燃えるばかりに輝いている。日没までには、まだ間がある。私を、待っている人があるのだ。少しも疑わず、静かに期待してくれている人があるのだ。私は、信じられている。私の命なぞは、問題ではない。死んでお詫び、などと気のいい事は言って居られぬ。私は、信頼に報いなければならぬ。いまはただその一事だ。

走れ!KITi&z。